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「皆様ごきげんよう」を観た

この映画を観ようと思ったのは、キネ旬で紹介されていた記事のスチル写真がなんとなく気に入ったからで、それは、まるで作り物な生首が死刑台のそばで掲げられている写真だったり、あるいは、スキンヘッドで太った男性がぽつんとプールに浮かんでいる写真だった。

映画が始まってすぐ、死刑台のシーンは観ることができた。

断頭されてもまったく血は出ず、シュールなシーンだった。

次に舞台は戦時中に移る。

ここでも血は描かれず、銃の撃ち合いはまるで戦争ごっこのように描かれる。

最後に舞台が現代に移って、やっとちゃんとした映画が始まったようだ、と少し安心する。(というのも、先に述べた2つの時代の話は単なるイメージの連続にしか見えなかったからだ。)

現代パートでは、あるアパートが主な舞台で、そこに住む読書家で酒飲みの老人、その友人の老人、ローラースケートで街を走る2人の若い女性、喧嘩ばかりしているカップル、アパートの掃除係の男性、が主な登場人物だ。(多い!笑)

この映画では、ひたすら彼らの何でもないような、でもへんてこな日常の話が描かれる。

もちろん、”奪われる者と奪う者”というテーマのようなものがあるのだろうが(アパートの住人達はホームレスらの寝床が奪われるのには猛反対するが、その一方で集団でスリをして人の物を奪っているのが面白い)、とはいえ殆ど主張せず、シュールな日常のイメージをただ描写する。

僕は正直なところ、終わりの方はずいぶん退屈してただぼんやり画面を眺めていた。ただ、いくつかのシーンはちゃんと大事に心にしまわれた気もする。